「QAエンジニアに興味があるが、20代未経験からでも就職できるのか?」と気になる人は一定数います。
結論、必要な知識・スキルを身に着けていれば、未経験からQAエンジニアになることは可能です。
ただし、QAエンジニアは責任も大きく細かな作業が多いため「人によって向き不向きのある仕事」という点は理解しておきましょう。
本記事では、20代未経験の人に向けて以下の内容を解説しています。
・QAエンジニアの仕事概要
・QAエンジニアに求められること
・就職するには何をしたらいいか
現在20代でQAエンジニアに興味のある人は、ぜひ参考にしてください。
目次
QAエンジニアとは?20代未経験者向けに解説
QAエンジニアのQAとは「Quality Assurance(品質保証)」の頭文字をとったものです。
つまり「インターネット上のサービスにおける品質保証」をするのが、QAエンジニアの役割です。
ここでは、QAエンジニアの仕事概要について解説していきます。
「なんとなくQAエンジニアに興味はあったが、改めてどんな仕事か聞かれると上手く答えられない」という方は、ぜひご覧ください。
QAエンジニアの主な仕事内容
先ほど、QAエンジニアの仕事は「インターネット上のサービスにおける品質保証をすること」とお伝えしました。
もう少し具体的に説明すると、QAエンジニアは以下の業務を行います。
・利用者目線に立ったテストの計画・実施
・テスト結果の分析
・改善案が出れば、品質管理の計画立案
・開発部門への提案
現代は多様なサービスが溢れており、多くのユーザーを集めるにはより細かな配慮が必要です。
そのため、仮に問題なくサービスが使えるとしても「使いづらい」という意見が出れば、改善計画を立てます。
問題なく使えることに加え、ユーザーが「使いやすい」と思うサービスを目指すのがQAエンジニアの役割といえるでしょう。
QAエンジニアの主な就職先
QAエンジニアの主な就職先は、以下のところです。
・パッケージベンダー
・クラウドサービスを取り扱う企業
パッケージベンダーとは、業務用に使われる会計・人事システムを開発・販売する企業を指します。
パッケージと言いつつも、機能をカスタマイズして使用することもあるため、システムに関する知識は必要不可欠です。
また、近年はインターネット経由で様々なサービスが活用できる「クラウドサービス」が大きく普及しました。
その中でユーザーが問題なく使いやすいと感じるよう、日々試行錯誤をしているのもQAエンジニアです。
テストエンジニアとの違い
QAエンジニアとよく混同される仕事に「テストエンジニア」がありますが、これら2つは別の職業です。
テストエンジニアとは、完成前のサービスに対してバグチェックを行います。
一方、QAエンジニアは完成したサービスに対して「品質に問題がないか」をチェックします。
「チェックをする」という意味では同じなので混同されやすいですが、QAエンジニアとテストエンジニアの大きな違いは「関わる工程がサービス完成前か完成後か」という点です。
QAエンジニアの年収
QAエンジニアは未経験者の場合、300〜400万円からのスタートが一般的です。
初任給は他の職業とあまり変わりませんが、QAエンジニアは年収を大きく伸ばしやすいのが特徴です。
品質保証における上流工程まで担当できれば、年収1000万円以上を稼ぐ人も珍しくありません。
高年収を得たい人は、積極的にスキルアップに励みましょう。
QAエンジニアに求められる知識・スキル
QAエンジニアには、以下の知識やスキルが求められます。
・幅広いテストに関する知識
・サービス開発に関する知識
・UXやUIに関する知識
・プログラミングスキル
・分析スキル
・コミュニケーションスキル
・マネジメントスキル
これらができる人は、イコール「向いている人」ともいえるでしょう。
QAエンジニアに興味のある人は、改めて以下の内容を読んで「学んでみたい」と思えるか「大変そう…」と思うかも考えてみてください。
幅広いテストに関する知識
QAエンジニアが行うテストは、決して単純作業ではありません。
そのため、幅広いテストに関する知識が必要です。
例えば、テストには以下の種類があります。
・シナリオテスト、画面UI:ユーザーが実際に利用するシーンを想定したテスト
・負荷テスト、ボリュームテスト:データをどこまで入れて問題ないかを確認するテスト
・セキリュティテスト:安全性に問題ないかを確認するテスト
このようにQAエンジニアは「何のサービスにどんなテストをすればいいか」を判断する必要があるのです。
サービス開発に関する知識
QAエンジニアは、サービス開発に関する知識も求められます。
繰り返しになりますが、QAエンジニアはテストを行うだけが仕事ではありません。
テスト後にシステム改善案を出し、開発部門へのフィードバックまで行います。
サービス開発に関する知識がないと適切なフィードバックができないため、プログラミングなどのサービス開発に関する知識は持ち合わせておきましょう。
UXやUIに関する知識
先述の通り、QAエンジニアはサービスが問題なく使えること以外にも「ユーザーが使いやすいと思えるサービス」を提供する必要があります。
その代表的な考え方が「UX」や「UI」です。
UXとは「ユーザー・エクスペリエンス」のことで、サービス利用によって得られた体験を指します。
・使いやすさ
・分かりやすさ
・デザイン
これらの満足度が高いサービスは「良いUX」となります。
UIは「ユーザー・インタフェース」で見た目の満足度を指し、UXの一部に含まれます。
・文字のレイアウト
・ボタンの位置
・写真やアイコン
具体的には、これらの快適さを指すことが多いです。
どれだけ機能面に優れていても、使い勝手の悪いサービスは利用されません。
多くの人に利用されるサービスを作るには、QAエンジニアがUXやUIを理解してこそといえるでしょう。
プログラミングスキル
プログラミングスキルはQAエンジニアとして働く際、大きく2つのことに役立ちます。
1つは先ほど解説した「サービス開発に関する知識」として必要です。プログラミングへの理解が深い人は、より効果的な提案ができるでしょう。
もう1つは「不具合の原因を見つけるため」に必要です。
プログラミングに長けていると不具合の発見がしやすいので、業務をスムーズに進められます。
分析スキル
QAエンジニアには、サービスの「どの部分をどう改善するか」といった分析する力が求められます。
細かいところまでバグや不具合がないかチェックする丁寧さも必要でしょう。
しかし、これらの分析を最初からできる人はいません。
経験とともに身についていくスキルなので安心してください。
また、分からないことを1つ1つ調べて知識を身につけることでも、分析力は養われていきます。
コミュニケーションスキル
QAエンジニアは他職種との連携も多いので、コミュニケーション力も重要です。
特に適切なフィードバックをするために、相手が納得できる提案・伝え方をしなければなりません。
こういう言い方をしたら「相手はどう思うか」「こちらの趣旨は伝わるのか」など、細かなところまで気を配れる人に向いているでしょう。
マネジメントスキル
他職種との連携が多いという意味で、QAエンジニアはマネジメントスキルも重要です。
基本的にサービスのリリース予定日は決まっているので、遅延のないようチームメンバーを動かす力、無理のないスケジュールを組む計画性が求められます。
20代未経験からQAエンジニアを目指す際に取得したい資格
先ほど紹介した知識・スキルを身につけることも重要ですが、20代未経験からQAエンジニアを目指すなら、資格を取得すると就職に有利です。
というのも、資格は一定レベル以上の知識・技術を持っていることの証明になります。
QAエンジニアとして働くなら以下の資格を取得できるといいでしょう。
・ソフトウェア品質技術者資格認定(JCSQE)
・JSTQB認定テスト技術者資格
・IT検証技術者認定試験(IVEC)
・QC検定
以下、それぞれの資格について解説していきます。
ソフトウェア品質技術者資格認定(JCSQE)
こちらは名前の通り、ソフトウェア品質に関する知識を問う試験です。
試験は「初級」「中級」「上級」の3つに分かれていますが、QAエンジニアの就職を有利にするなら、中級まで取得することをおすすめします。
品質保証の基礎知識はこちらの資格で一通り網羅できることと、試験自体の難易度はそこまで高くないので、ぜひ挑戦してみましょう。
JSTQB認定テスト技術者資格
JSTQBとは「Japan Software Testing Qualifications Board」の頭文字をとったもので、簡単にいうとソフトウェアの技術試験です。
レベルは「Foundation Level」と「Advanced Level」の2種類がありますが、最初は「Foundation Level」からの受験となります。
QAエンジニアのスキルアップになることはもちろん、ソフトウェアに関する理解が深まるので、チーム内でのコミュニケーションエラーを防ぐのにも役立ちます。
こちらの資格はアメリカ・イギリス・ドイツなどでも使われているので、海外で働く際にも役立つ資格といえるでしょう。
IT検証技術者認定試験(IVEC)
IT検証技術者認定試験は、テストエンジニアの実務レベルを問う資格試験です。
先ほどQAエンジニアとテストエンジニアは別物と解説しましたが、こちらの資格はテストに関する知識・スキルを習得する意味でおすすめしています。
レベルは1〜7まであり、以下のように分かれています。
レベル1:テスト実行者
レベル2:テスト実行の管理者
レベル3:テスト実装・設計者
レベル4:テストの詳細設計者
レベル5:プロジェクトマネージャー、技術リーダー
レベル6:プロジェクト最終責任者
レベル7:研究者、上級コンサルタント
この中で就職が有利になるのはレベル4以上ですが、それより下のレベルであっても挑戦する価値は十分にあります。
少なくともテストに関する理解が深まるのは間違いありません。
QC検定
QC検定のQCとは「Quality Control=品質管理」を指し、品質管理の知識を問う試験です。
20代未経験からQAエンジニアを目指す人は、ぜひとも取得しておきましょう。
試験は1〜4級の4段階に分かれており、完全な業界未経験者は4級からの挑戦がおすすめです。
そして就職に有利にはたらくのは3級以上と考えられます。
しかし、3級であっても必要な勉強時間の目安は100時間程度と言われているので「未経験の人でも十分合格を目指せる資格」といえるでしょう。
まとめ
以上、20代未経験からQAエンジニアを目指したい人に向けて、以下の内容を解説しました。
・QAエンジニアの仕事概要
・求められる知識やスキル
・未経験から目指す際にあると良い資格
結論、必要な知識とスキルを身につければ、20代未経験であってもQAエンジニアになれます。
QAエンジニアとして必要な学習を、1つずつ丁寧に進めていくことが大切です。
必要最低限の知識とスキルを身につけたら、その後は実務経験の積める企業に就職しましょう。
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